医療機関のウェブサイトやSNSで「これは大げさではないか」と感じる表示を見つけたときは、厚生労働省の「医療機関ネットパトロール」に情報を寄せることができます。通報は、ネットパトロールのサイトにあるフォームから行います。ただし、ネットパトロールは広告の表示を改善するための仕組みで、返金や解約、治療の結果についての相談は別の窓口が担当しています。
医療機関ネットパトロールとは
医療機関ネットパトロールは、医療機関のウェブサイトなどに、うそや大げさな表示がないかを監視する厚生労働省の事業です。平成29年度に始まりました。医療広告ガイドラインに違反する疑いがあるウェブサイトの情報を、一般の人から受け付けています。
厚生労働省の資料は、事業の流れを次の4段階で説明しています。
- ウェブサイトなどが医療広告の規制に違反していないかを監視する
- 不適切な記載が見つかったときは、その医療機関などに規制の内容を知らせ、自主的な見直しを促す
- 改善が認められないときは、その医療機関を所管する自治体に情報を提供する。指導などは自治体が行う
- 自治体に情報を提供した後の改善状況を調べる
通報を待つだけでなく、事業の側から違反を探す監視(能動監視)も行われています。令和7年度は、ウェブサイトに加えて、X、Instagram、YouTube、TikTokが対象で、テーマにはオンライン診療も含まれていました。
通報フォームで入力する項目
通報は、医療機関ネットパトロールのサイトにあるフォームから行います。2026年10月5日に確認した時点の入力項目は、次のとおりです。
- 医療機関名(店名やウェブサイト名でもよい。不明なら空欄でよい)と所在地
- メディアの種類(ホームページ、ブログ・SNS・動画、口コミサイト・ランキングサイト・まとめサイトなど)
- カテゴリー(美容、歯科、がん、その他の医療機関など)
- トップページのURLと、特に気になるページのURL
- 気になる表示の種類(複数選択できる)
- 気になる理由(400文字まで)
「気になる表示」は、次の選択肢から選びます。
- 内容が虚偽である
- 他の医療機関と比べて優良だと広告している
- 誇大な表現をしている
- 治療内容の説明がない・おかしい
- 費用の記載がない・おかしい
- リスクや副作用などの記載がない・おかしい
- 口コミや体験談を掲載している
- ビフォーアフター写真を掲載している
- その他
確認した時点では、通報する人の氏名や連絡先を入力する欄はありませんでした。
ネットパトロールは、広告の表示を改善するための仕組みです。返金や解約、治療の結果についての相談は、この後に挙げる別の窓口が担当しています。
どのくらい通報され、何が多いのか
厚生労働省の資料によると、令和7年度(2025年度)は、2026年2月末までに6,324サイトの通報があり、そのうち医療広告に関するものは5,009サイトでした。
同じ時点までに審査が終わった2,092サイト(能動監視で見つかったものを含む)のうち、1,842サイトで違反が確認されています。違反の件数は合計5,225件で、1サイトあたり約2.8件です。
違反の種類で最も多かったのは「広告が可能とされていない事項の広告」でした。資料は、費用やリスクなどを明記するという条件を満たさないまま、広告できる範囲を超えた内容を載せている場合がこれに当たると説明しています。自由診療のページで、費用とリスクの説明が欠けていないかを確かめることには、意味があります。
相談の内容によって窓口が違う
厚生労働省は、相談の内容ごとに窓口を案内しています。
- ウェブサイトなどの表示を知らせたい:医療機関ネットパトロールの通報フォーム
- 医療広告について相談したい:医療機関を所管する自治体の窓口(厚生労働省が一覧を公表している)
- 医療に関する苦情や心配ごとを相談したい:医療安全支援センター
- 契約の内容や解約の条件を相談したい:消費者ホットライン「188」、消費生活センター
医薬品医療機器等法の違反が疑われるインターネットサイトについては、情報を受け付ける別の窓口が、ネットパトロールのサイトから案内されています。
事務局を名乗る連絡に注意する
医療機関ネットパトロールのサイトは、事務局を装った迷惑メールや問い合わせが医療機関に送られていたことを公表し、事務局や厚生労働省からメールを送ることはないと注意を呼びかけています。事務局を名乗るメールが届いたときは、リンクを開いたり個人情報を伝えたりする前に、公式サイトの案内を確かめてください。
通報の前に整理しておくこと
- 気になる表示があるページのURLを控える。複数あるときは、理由の欄にまとめて書ける
- どの表示が、なぜ気になるのかを短く書けるようにする(400文字まで)
- 表示が変わる前の状態を残したいときは、日付がわかる形で画面を保存しておく
- 契約や返金の問題を抱えているときは、通報とは別に消費者ホットライン「188」へ相談する
- 体調の変化があるときは、通報より先に、処方した医師や薬剤師に連絡する
次に読む
- 医療広告で注意したい表現の見分け方(どんな表現が認められていないのか)
- 治療や契約で困ったときに相談できる公的な窓口(医療と契約、それぞれの相談窓口)
- 広告掲載方針(このサイトの広告に対する考え方)
参考にした一次情報
内容を確認するときは、各機関が公開する最新版もあわせてご覧ください。
- 厚生労働省「医療機関ネットパトロール」通報フォームと関連窓口へのリンク
- 厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」相談・通報窓口の案内
- 厚生労働省「ネットパトロール事業について(令和7年度)」PDF・令和8年3月26日の分科会資料
- 厚生労働省「医療広告相談窓口一覧」PDF・自治体の窓口