診療計画の位置づけ

厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」は、オンライン診療を行うときの医師と患者の間のルールを「診療計画」として定め、患者の合意を得ておくよう求めています。診療計画に含める項目は9つあり、医師はその内容を患者に説明することになっています。初診からオンライン診療を受けた場合も、オンラインでの診療を続けるときは、医師ができるだけ速やかに診療計画を定めることになっています。

診療計画とは

指針は、オンライン診療は医師と患者の双方の合意に基づいて行う必要があるとし、その合意の内容には、診療計画として定める具体的な実施ルールが含まれる必要があるとしています。

医師は、合意を得る前に、次のことを患者に説明することになっています。

  • 触診などができず、オンライン診療で得られる情報は限られるため、対面診療を組み合わせる必要があること
  • オンライン診療を行うたびに、医師が実施できるかどうかを判断すること
  • 診療計画に含まれる事項

オンライン診療は、医師の側の都合で行うものではなく、患者からの求めがあってはじめて成り立つものだと、指針は述べています。

診療計画に含める9つの項目

指針は、「最低限遵守する事項」として、医師が次の項目を含む診療計画を定め、2年間保存することを求めています。

  1. オンライン診療で行う具体的な診療内容(病名、治療の内容など)
  2. オンライン診療と、対面診療・検査の組み合わせ(頻度やタイミングなど)
  3. 診療時間に関すること(予約制など)
  4. オンライン診療の方法(使う情報通信機器など)
  5. オンライン診療を行わないと判断する条件と、その条件に当てはまったときは対面診療に切り替えること(通信の障害で診療ができなくなる場合を含む)
  6. 触診などができず得られる情報が限られるため、患者が診察に積極的に協力する必要があること
  7. 急病や急変のときの対応方針(その医師が対応できない病気などの場合は、対応できる医療機関を示す)
  8. 複数の医師がオンライン診療を行う予定があるときは、その医師の氏名と、どのような場合にどの医師が診療するか
  9. 情報漏えいなどのリスクを踏まえた、セキュリティに関する責任の範囲(責任分界点)と、その範囲にとぎれがないこと

初診からオンライン診療を受けた場合

指針は、医師が対面診療で患者の状態を十分に評価したうえで診療計画を定めることを基本にしています。

初診からオンライン診療を行う場合については、別の定めがあります。医師は、診察の後に、その後の方針を患者に説明します。指針は、方針の例として、次回の診察の日時と方法、症状が悪化したときの対面診療の受診先を挙げています。その後、オンラインでの診療を続ける場合や、その見込みがある場合は、できるだけ速やかに診療計画を定めて保存することになっています。

2回目以降もオンラインで続けるなら、計画の説明があるかを確かめる

初回の診察で次回の予定と、悪化したときの受診先の説明があったか。診療を続けることになったときに、上の9項目にあたる説明があったか。説明がなければ、質問してかまいません。

書面やデータで受け取れるか

指針は、診療計画を、文書または電磁的記録によって患者が参照できるようにすることが望ましいとしています。これは「推奨される事項」で、義務ではありません。口頭で説明を受けただけのときは、後から見返せる形でもらえるかを尋ねてみてください。

診察の映像や音声を、医師側または患者側の端末に保存する場合は、保存するかどうかや保存する端末などを事前に取り決め、双方で合意しておくことも求められています。

担当する医師が変わるとき

指針は、在宅診療やチーム診療でいずれかの医師が対面診療を行っている場合のほか、主に健康な人を対象にした診療で、対面診療でも同じ医師が行う必要性が低いと一般に認識されているものなどについても、診療計画に明示することなどを条件に、特定の複数の医師が交代でオンライン診療を行うことを認めています。交代で診療する場合は、診療計画に医師の名前を記載することになっています。

予定していた医師の病気や勤務の変更などで、診療計画にない医師が代わりに診療しなければならないときは、患者の同意を得たうえで、診療録の記載を含む十分な引継ぎを行っていれば、実施して差し支えないとされています。

患者の側で確かめること

オンライン診療を続ける前に

  • どの病気に対して、どのような治療をオンラインで行うのか、説明を受けたか
  • 対面診療や検査を、いつ、どのくらいの頻度で組み合わせるのか
  • どのような場合にオンライン診療をやめて対面診療に切り替えるのか
  • 症状が悪化したときや急変のときに、どこを受診すればよいのか
  • 診療する医師は誰か。複数の医師が担当する場合、その名前が示されているか
  • 診療計画を、文書やデータで後から確認できるか
  • 診察の録画や録音をするかどうかの取り決めがあるか

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参考にした一次情報

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