受け取り方は大きく2通り

オンライン診療のあとに薬を受け取る方法は、医療機関から直接届く場合と、処方箋をもとに薬局が調剤して届ける場合の、大きく2通りです。処方の前に医師が確かめることと、初診での処方の制限は、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」で定められています。薬局がオンラインで服薬指導を行い、薬を配送する場合のルールは、「オンライン服薬指導の実施要領」にあります。

処方の前に指針が求めていること

指針は「薬剤処方・管理」の項で、医薬品の使用は多くの場合副作用のリスクを伴うため、処方にあたっては効能・効果と副作用のリスクを正確に判断する必要があり、処方の前に患者の心身の状態を十分に評価できている必要があるとしています。オンライン診療は診察の手段が限られるため、初診で診断や治療に必要な十分な医学的情報を得ることが難しい場合があり、初診から安全に処方することができない医薬品があるとも書かれています。

また、飲み合わせに配慮し、適切な用量・日数を処方して過量処方にならないよう、医師が自ら処方内容を確認するとともに、薬剤師による処方のチェックを経ることを基本とし、薬剤管理には十分に注意が払われるべきとされています。

「最低限遵守する事項」として定められているのは、次の点です。

  • すでにオンライン診療を受けている疾患の延長とされる症状に対応するために必要な医薬品は、医師の判断によりオンライン診療で処方できること
  • 初診からのオンライン診療の場合や、新たな疾患に対して処方する場合は、日本医学会連合の「オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤」など、関係学会が定める診療ガイドラインを参考に行うこと
  • 初診の場合には、次の処方を行わないこと
    • 麻薬及び向精神薬の処方
    • 基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する、特に安全管理が必要な薬品の処方
    • 基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する、8日分以上の処方
  • 重篤な副作用が発現するおそれのある医薬品の処方は特に慎重に行い、処方後の服薬状況の把握に努めるなど、リスク管理に最大限努めること
  • 医師は、患者が現在服薬している医薬品を確認しなければならず、患者は医師に対して正確な申告を行うべきこと

推奨される事項として、かかりつけ薬剤師・薬局の下で医薬品の一元管理を行うことを患者に求めることが望ましいとされています。不適切な例には、医薬品の転売や不適正使用が疑われる場合に、対面診療で必要性などを確認せず、オンライン診療のみで患者の状態を十分に評価せずに処方する例や、禁忌の確認に十分な情報が得られていないのにオンライン診療のみで処方する例が挙げられています。

薬の受け取り方は大きく2通り

オンライン診療のあとに薬を受け取る方法は、大きく分けて2通りです。

ひとつは、医療機関から薬が直接届く方法です。指針が定めているのは、上で見た処方の前の評価や処方の制限です。令和8年4月改訂版の指針には、医療機関から患者へ薬を送る場合の配送の手順そのものについての具体的な定めは見当たりません。発送の時期、配送方法、受け取れなかったときの扱い、薬の説明や相談を誰から受けられるか、問い合わせ先は、医療機関の案内で確かめることになります。

もうひとつは、処方箋をもとに薬局が調剤し、薬剤師の服薬指導を受けてから薬が届く方法です。薬局がオンラインで服薬指導を行い、調剤した薬を配送する場合のルールは、厚生労働省の「オンライン服薬指導の実施要領」に定められています。

このほか、処方箋を受け取って自分で薬局に行き、対面で服薬指導を受けて薬を持ち帰る方法もあります。

薬局から届く場合のルール(オンライン服薬指導)

厚生労働省の説明では、オンライン服薬指導とは、映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法で服薬指導を行うことで、患者の求めに応じて、その都度薬剤師の判断と責任に基づき行うことができるものです。現在の実施要領は、令和4年9月30日の省令改正にあわせて示された同日付のものです。

実施要領には、患者側から見て知っておきたい次の内容があります。

薬剤師の判断

その薬局で服薬指導を受けたことがない患者や、処方内容に変更があった患者には、お薬手帳、患者の同意のもとで得た他の薬局からの情報、処方した医師の診療情報、患者から聞いた併用薬や副作用歴などで服薬状況を把握したうえで実施します。薬剤師がオンラインでの服薬指導を適切に行うことが困難と判断し、対面での服薬指導を受けるよう促すことは、薬剤師法の調剤応需義務に違反しないとされています。

事前に明らかにされる事項

薬局は、オンライン服薬指導を行わないと判断した場合に中止して対面を促すことや、情報の漏えい等の危険に関する事項を、アプリや薬局のウェブサイトなどで患者に明らかにしたうえで実施します。

処方箋の流れ

薬局は、患者が持参または郵送した処方箋に基づいて調剤するのが原則ですが、患者が申し出れば、医療機関は処方箋を患者に交付する代わりに薬局へ直接送付できます。薬局は、医療機関から処方箋の原本を入手するまでの間は、ファクシミリやメールで送られた処方箋情報を処方箋とみなして調剤し、原本が届いたら処方箋情報とあわせて保管します。

薬の交付と配送

薬局は、調剤した薬を品質を確保した状態で速やかに患者に届けます。郵送や配送を行うときは、薬剤師が直接手渡す場合と同じ程度に品質の保持と患者本人への授与が確保されるよう、あらかじめ配送の手順を定めます。配送後は、電話などで(配達記録やアプリでの受領確認、配達記録が記載されたメールによる確認も含む)薬が確実に患者に渡ったことを確認します。温度管理など品質の保持に特別の注意を要する薬などは、適切な配送方法を使う、薬局の従事者が届ける、来局を求めるなどの工夫が求められています。また、初診からオンライン診療を行う医療機関の処方について、指針の処方制限が守られているか疑義がある場合には、薬局が処方した医師に確認することとされています。

配送についての事務連絡(令和4年3月31日)は、次の点を示しています。

  • 服薬指導後の配送は、患者の了承を得たうえで行う
  • 薬の品質の保持と患者への確実な授与には、薬局開設者と薬剤師が責任を負う。配送方法の選択と受取時の確認方法は、薬剤師が判断する
  • 盗難や紛失を防ぐため、必要に応じて封かんなどの対応を行う
  • 受取予定日を超えて受領の確認ができない場合の運用を、事前に患者と合意しておく
  • 配送方法などの合意は、記録しておくことが望ましい
  • 宅配ロッカーを使う場合は、清潔性や温度・湿度などの環境を考慮する

費用と周知

実施要領では、配送料や薬剤費の支払いは、代金引換、銀行振込、クレジットカード決済、電子決済などで差し支えないとされています。薬局は、オンライン服薬指導の時間(予約制など)、方法(使えるアプリなど)、薬剤の配送方法、費用の支払方法を、薬局内の掲示やウェブサイトであらかじめ患者に周知します。

処方から受取りまでに確かめること

以下は、指針と実施要領の内容を踏まえた、このサイトからの提案です。

  • いま使っている薬やサプリメント、副作用の経験を、診察で正確に伝えたか
  • 初診で8日分以上の薬が処方される場合、持病や服薬中の薬などの情報を医師に伝え、把握してもらえているか
  • 薬を送るのは医療機関か薬局か。薬局の場合、服薬指導の日時と方法(アプリなど)
  • 発送予定日、配送方法、追跡や受領確認の有無、受け取れなかったときの扱い
  • 配送料と支払方法、次回の配送や決済の予定
  • 届いた薬の名称と数量が、診察で説明された内容と一致しているか

困ったとき

薬が届かない、内容が違う、体調が変わったといったときは、まず、処方した医療機関や調剤した薬局から案内されている窓口に連絡してください。配送や契約をめぐるトラブルが解決しないときは、消費者ホットライン「188」に電話して、最寄りの消費生活センターなどに相談してください。

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